JAZZ~演奏・勉強の前準備~

<普段使う曲集について>

 

 ジャズは、前章で書いた通り、みんながよく知っている曲などをモチーフにして、演奏者の自由な発想や解釈でテーマを発展させ、聴いている人に原曲にはない新たな感動を生み出すもの、です。

 この、「みんなが知っているきょく(スタンダードナンバー)」は1930~1960年代ぐらいのアメリカの流行曲が多いです。そのため、歌詞がついている曲が多いです。もちろん1970年代以降の曲も続々とスタンダードの仲間入りを果たしています。

 その結果、お店やセッションなどで演奏されるスタンダードナンバーは、頻繁に演奏されるもので200~300曲くらい。たまに演奏されるものも加えると数千曲に上がります。

 これらの曲を、選びやすいように集めたものがスタンダード曲集といわれるもので、いろいろな種類(収録曲がいろいろ)の本が販売されています。これはジャズを演奏する上では無くてはならないものです。

 日本では、通称”黒本”(ジャズスタンダードバイブル、納浩一著)と呼ばれているものが主流です。少し前までは、”青本”という本が主流でしたが、選曲が古かったり、コードのつけ方がジャズ風でなかったりして、ここ数年で取って代わられました。

 お店のセッションや練習会などで取り上げられる曲は、ほとんどこの黒本の収録曲から選ばれますので、必ず買っておいてください。

 ⅠとⅡがありますが、最初はⅠだけで十分です。220曲ほど収録されています。少し曲を覚えてくると、これだけではちょっと物足りなくなるので、この本のⅡもおいおい揃えておくとよいでしょう。

 管楽器の方向けに、B♭とE♭に移調したバージョンも販売されています。

また、ボーカル用として歌詞も書いてあるバージョンもあります。

 

 演奏活動を長くやっていると、この黒本だけでは飽き足らなくなり、いろいろな曲をやりたくなります。また必要にも迫られてくる(最近の曲はあまり入っていないという事情もある)ので、他の曲集を探す必要が出てきます。そのときは洋書のRealBook(Hal Leanard著、洋書のためアマゾンなどで購入可)を買っておくとよいと思います。

 

 RealBookもいといと種類やバージョンがあるので、ネットで調べて選んでください。RealBookⅠ~Ⅲ、NewRealBookⅠ~Ⅲがあります。一冊500曲くらい。この6冊で3000曲ぐらい収録されています。

 RealBookに載っていなかったら、どうしようもないので、自分で採譜するしかありません。

 

JAZZ~楽しみ方~

ジャズの練習をやっていると、他の人とコンボ(バンド)で演奏したくなります。ジャズの演奏を楽しむには、一人だけで演奏する方法もありますが、バンドでアンサンブルを楽しむ方法が一般的です。しかし、メンバーを集めるのも一苦労です。そのため、手軽にジャズのアンサンブルを楽しむ方法として、セッションがあります。お店や集まりで、不特定な人とその場限りのメンバー編成で、ジャズを演奏することです。ジャズクラブのライブスケジュールに「セッションデー」などと書かれていることがあります。

 初心者の方にとっては、どのような仕組みで開催されているのか、どんな曲を演奏するのか、どんな取り決めがあるのか、皆目見当がつかないと思います。そのため、せっかく練習しいていても、実際のジャズに触れることがない方が多いと思います。

 セッションに参加することは、初心者であることさえ言っておけば、仕組みや方法を覚えていれば大丈夫です。

 一人で練習しているだけではおもしろくありません。ジャズの醍醐味は、他の人との演奏を通じたコミュニケーションです。上達の過程においても、セッションに参加したりバンドを組んだりしていっぱい楽しみましょう。

 すぐに上手くならないところが、飽きずに続けられるジャズの良いところかもしれません。

 

JAZZ~学ぶ上の心構え~

 ジャズの勉強は、他国の言語を学ぶこととよく似ています。外国語は、理論は覚えにくいし、単語はいっぱいあるし、理論を越えたところに慣用表現とかあるし、ネイティブのような発音は難しいし。ジャズも同じで、習得するためにいろいろな勉強を積まないといけません。

 

 外国語が話せるようになる方法として、その国に住んでしまって、その国の言葉にどっぷり浸かってしまうという方法もあります。

 ジャズも同じで、聴きまくって、ジャズの環境にどっぷり浸かれば、とても時間はかかりますがジャズの演奏はできるようになります。大昔、ジャズの理論体系がまだ確立されていなかったころはこの方法しかありませんでした。

 

 いまはネットなどに勉強に必要な情報はいくらでも見つかるので、上記のような効率の悪い方法をわざわざ選ぶ必要はないと思いますが、どんな方法にせよ、ジャズをしっかり習得するにはたくさん(年単位)の時間がかかると思ってください。なので、うまくならないからといって、すぐに諦めてしまわず、ゆっくり、あせらず、自分しか演奏できない自分のジャズを追求していきましょう。時間はたっぷりあります。

 

 

自分にとってのJAZZ

 ジャズをはじめるにあたって、「どういうミュージシャンの曲を聴けばよいか」と考える方は多いと思います。

 ジャズと分類される音楽のジャンルはとても幅広く、それぞれ違いが大きいので、その中から「自分にとってのジャズ」を探し出す必要があります。

 

 ですが、どうしても避けて通れないミュージシャンが一人います。「マイルス・ディビス」です。

 トランペット演奏者なのですが、とても優れたクリエイターで、ジャズが現在まで発展してきた原動力となった人です。ポップスでいうとビートルズみたいな存在です。

 この人のアルバムは古いものから新しいものまで可能な限り聴いてください。また、それぞれの時代でマイルス・ディビスによってどのようなジャズのジャンルが開拓されたか、ぜひ辿ってみてください。

 

 さて、自分にとってのジャズを探す方法に戻りますが、今はネットで「ジャズの名盤」「ジャズの歴史」「初心者向きのジャズ」などのキーワードで検索すると沢山のミュージックがヒットすると思います。それをYouTubeんあどで聴いてみて、その中から自分の心に響いたものを選び、ミュージシャンやそのジャンルの他の曲に検索の輪を広げていけば、自分にとってのお気に入りが見つかると思います。

 

 見つかったら、次にそのミュージシャンの生の演奏を聴きに行ってください。ジャズは他の音楽ジャンルに比べ、ライブでの即興演奏に”値打ち”があります。ぜひ生の演奏に触れて、その音楽の迫力や美しさに驚嘆してください。ジャズを志す原動力になりますよ。

 

JAZZについて

 

ジャズは、原曲をモチーフに、その場に参加しているすべての演奏者が相互に呼応・触発し合いながら(インタープレイ)自由な発想や解釈で原曲を発展させ(インプロビゼーション)、聴いている人に新たな感動をもたらすもの、です。

 

 演奏の全体の流れは、下記のようなパーツに整理することができます。この全てで演奏者によるインプロビゼーションが行われ、演奏者相互のインタープレイが行われているわけです。

 

      ①イントロ(前奏)

      ②テーマ(主旋律)

      ③各楽器のアドリブ(ソロ)

      ④後テーマ

      ⑤エンディング(アウトロ)

 

 

①イントロ

 

 曲のテーマ(主旋律)が始まる前に演奏される導入部分。正式にはイントロダクション。一般的な楽曲(ポップスや歌謡曲)の場合は、イントロは事前に作・編曲されたものが演奏されますが、ジャズはイントロを担当する人(通常ピアノが多い)がその場で考えて演奏することが多いです。なかには、定番のイントロがあり、その曲を演奏するときはお約束になっているものもあります。

通常4~8小節程度の短いものが演奏されます。ボーカルの人が歌う場合、曲によってはバースというイントロよりももっと曲として出来上がっているような、16~32小節程度のものが演奏されることもあります。これには、テーマとは別の歌詞がついています。その場にいる演奏者の誰もイントロを思いつかない場合は、イントロを演奏せず、カウントで曲をスタートさせることもあります。

 

②テーマ(主旋律)

 

 ジャズで演奏する曲は、アメリカで昔(1930~1960年頃)流行った、みんながよく知っている曲が多いです。

 この曲(群)のことをスタンダード(スタンダードナンバー)といいます。この曲をモチーフ(題材・素材)にして、各演奏者が自分なりのジャズにインプロバイズしていきます。

 テーマは、メロディを演奏できる楽器であればどんな楽器でも担当できます。実際に演奏するのはその曲でフューチャー(注目)されるべき楽器です。例えば、セッションでその曲を演奏したいと言い出した人。演奏する人の中にボーカリストがいたら、例外なくその人が歌いますボーカリストは、このテーマの歌詞を歌います。

 テーマは、多少フェイクすることはありますが、アドリブほど崩すことはありません。通常は原曲のメロディをそのまま演奏することが多いです。

 

③各楽器のアドリブ(ソロ)

 

 テーマの演奏が終われば、引き続き各楽器のアドリブに移ります。ボーカリストスキャットを歌ってアドリブに参加することがあります。

 アドリブは、ジャズを構成する大事な要素です。ジャズの醍醐味となる部分です。原曲のテーマを演奏者の自由な発想で発展させたものです。

 自由な発想と言っても、いろいろな制約があります。中には、フリージャズのようにまったく制約が無い場合もありますが、ここでは除外します。

 

 楽器の方が特に困っているのは、このアドリブ(ソロ)をどうしたらうまく演奏できるか、だと思います。

 アドリブ(ソロ)を演奏するうえで最も大事なことは、自分自身の内から湧き出るメロディで表現する、ということです。

 演奏者自身のオリジナリティを求められるものと思ってください。偉大な先人や先進的なプレーヤーの音楽をたどるのは、ジャズを理解する上でとても大切なことですが、うまくアドリブができないからといって、それらのプレーヤーの演奏をまるまるコピーして演奏していたら、確かにジャズのように聞こえてくるかもしれませんが、それはジャズとは言えません。

 

 自分の内から湧き上がるメロディは、誰もが持っています。これをジャズの演奏に生かすための理論や演奏技術が必要になります。バック(伴奏)にはコード進行による和音の響きの変化もありますし、リズムの変化もあります。そういったものにマッチしないと、調子はずれな演奏に聴こえてしまいます。

 ジャズとは複数の楽器で演奏することが多く、バックで演奏しているいろいろな楽器の演奏者と協調して一つの曲を演奏(アンサンブル)しなければ、聴いている人に感動を与えることはできません。

 

④後テーマ

 

 各楽器のアドリブが終わったら、再度テーマを演奏します。

アドリブの余韻が残っていることから、若干フェイクした演奏となることが多いように思います。

 

⑤エンディング(アウトロ)

 

 曲の最後はエンディングを演奏します。イントロはピアノにお任せ、となるのに対して、エンディングは演奏者全員が絡むので、セッションなどでは事前に決めておくことが多いです。

 エンディングのパターンは何通りかあって、それのうちどのパターンにするか決めます。

 なお、パターンは決めますが、演奏者は他のパーツ同様にインプロバイズしたものが演奏されます。

 イントロと同様に、お決まりのメロディを演奏するものもあります。

 

【語学学校紹介】オーストラリア留学

これから留学を考えている方や、
オーストラリアに興味がある方の参考になれば幸いです。

今回紹介するのは、私が実際に留学していた下記の語学学校です。

クイーンズランド大学付属英語学校
「ICTE-UQ」(正式名称:Institute of Continuing & TESOL Education)

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緑豊かで広大なキャンパスで、図書館が14個あるなど施設も充実しています。

卒業式のころには、大学のシンボルカラーである紫の花、ジャカランダが校内に咲き乱れます。木を覆うほどたくさんの花を咲かせ、神秘的で美しいです。

また、本学生と同じ部活やサークルに入れるのも魅力的です。


・コースの種類

コースは以下の4種類から選択することができます。

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約2週間ごとに試験があり、自分のレベルに合ったクラスに配属されます。

私は一番上の一般英語のクラスの、Lv.5からスタートしました。

・授業の特徴
日本の授業に比べ、コミュニケーションをとても重視しているように感じました。
文法を覚えるにしてもアクティビティを取り入れ、学んだ内容をすぐ実際に使用することで学習効率がUPさせる工夫が施されています。

ディスカッションでは、先生に与えられた議題について学生同士(2~5人)で議論します。ディスカッションは、他人とのハーモニーを尊重し、対立を避ける国民性もあり、日本人は比較的苦手な分野です。最初のうちは他国の学生たちのマシンガントークに圧倒されるかもしれませんが、少しずつ慣れていけば大丈夫です。相手の意見を聞きながら、論理的に自分の意見を伝えていきます。まずは自分の意見がしっかりと固まっていないと、たとえ日本語でもうまく議論できないので、普段から経済や世界情勢の情報収集をして、問題に対して自分の考えをまとめておくのがオススメです。英語力だけでなく、論理的思考力も身に付きます。

Lv.6のクラスでは、プレゼンテーションも行いました。テーマは先生によりますが、私のクラスはけっこう自由で、スラングについて、カピバラについて、占いについてなど発表しました。自分の好きなことについてだとプレゼンしやすいですね。


・生徒の特徴

国籍な、はじめのクラスでは中国人や日本人、インドネシア人などアジア系が多い印象でしたが、クラスのレベルが上がるごとに南米のチリ、コロンビアの方が多い印象でした。基本的にヨーロッパ圏の英語留学をする方はイギリスに行くのですが、イタリア・スペイン・フランス人のクラスメイトにも出会いました。

なんでオーストラリアにしたん?と聞いてみたところ、

「イギリス行くのはふつうすぎるから、みんなと違うとこへ行きたかった!」
というあまのじゃく(失礼)な方や、

「遠くへ行きたかった!」
という冒険心のある方が多かったです。

夏休み期間中など時期によっては、短期で留学にくる日本人留学生が多くなる傾向があります。
一度、クラス8割が日本人という状況を経験したので、多国籍のクラスを望んでいる方はお気をつけください。

もちろんクラスでのやり取りは英語ですし、クラス終了後にクラブやアクティビティで本学生や外部の方と交流することもできるので、自分の行動次第で英語力をUPさせることや多国籍の方に出会うことは十分可能です!

アカデミックテストに合格するとクインーズランド大学へ進学することもできるため、大学進学前提として留学している生徒も多く、生徒のモチベーションが高いのも印象的でした。


・教師

教師について意外だったのが、オーストラリア人がぜんぜんいない!いや、いるはずなのですが、10人以上の先生に担当してもらったものの出会いませんでした。

先生の国籍は、ドイツ、アメリカ、イギリスなど多様です。

オーストラリアはけっこう英語の訛りが強いのを心配する方もいらっしゃいますが、こちらの語学学校では、ほとんど訛りのない標準的な英語を教えてくれますので、そこはご安心ください!

また、日本と比べ先生との距離が近いので、授業中でもすぐに質問がしやすいです。遠慮せずにどんどん聞いて、お話して、先生と仲良くなっちゃいましょう。